
アメリカの太平洋軍司令官 ティモシー・J・キーティング海軍大将が先月末、大西洋評議会(Atlantic Council)での質疑応答でこんなこと言いました。
◆Asia-Pacific Security Challenges
あなたの言う特定なシステムに日本が明確な興味を示している事を承知していません
特定なシステムとは「TLAM/N(核搭載型トマホーク)」の事です。
FASはブログで「太平洋軍司令官が知らないわけないだろう」と言っています。
◆Japan, TLAM/N, and Extended Deterrence
これは面白い。最近この問題を議会戦略態勢委員会が明確に指摘したじゃないか。太平洋軍の司令官なら日本政府とも軍とも高レベルで密接なやりとりを行ってると思うけどね。アメリカの核の傘で使用される特定の武器に対する日本の興味に気がつくべきじゃないのか
またその議会戦略態勢委員会が発表した核戦略に関する最終報告書に関して日本政府の関与についても触れています。
いくつかの情報源によると、日本の官僚が委員会に核の傘のための要求事項を提出した
最終報告書には意見を聞いた人物として4人のアメリカ日本大使館員の名前が出ています。
さてFASによれば、
アメリカには約300発のTLAM/Nがある。その内半分は、ワシントン州のバンゴール太平洋戦略兵器設備班(SWFPAC)に、そしてもう半分はジョージア州のキングスベイの大西洋戦略兵器設備班(SWFLANT)に保管されている。使用期限つきの部品がついている100発ほどの弾頭がアクティブな状態にあり、平時には潜水艦には搭載されていない。(53隻あるアメリカの攻撃型潜水艦の内TLAM/Nを搭載出来るのは1ダース以下)
W76 及び W88 弾頭を持つ1000発をこえるトライデントIIが8隻のオハイオ級原潜に積まれ太平洋をパトロールしておりその内5〜6隻(480-570の弾頭を積んでいる)原潜はいつでも展開可能な状態にある。もし必要とされるならばSWFPACはおよそ1500発の弾頭を追加出来る。
これに加え500発あるミニットマン IIIの内450発が太平洋軍(PACOM)の領域で使用可能。さらに不測の事態にはノースカロライナ州シーモア・ジョンソン空軍基地の第4戦闘航空団F-15E機部隊がPACOMの核攻撃に加わる。アメリカ海軍は空母船隊や核原潜などその戦力の60%を太平洋地域に投入しその一部は日本の港を母港にしている。またB-2、B-52Hなどの戦略爆撃機も待機している
ということのようです。まぁこれがアメリカの言う核の傘です。2013年に寿命がきてTLAM/Nが退役してもまだ1000発のトライデントと450発のミニットマンがあるのに日本が何故文句を言うのか…ということですねぇ。
ところで、田母神氏が核武装論を展開されていますが田母神氏の言う日本の核武装はニュークリア・シェアリングという方法です。石原東京都知事も「そんな方法があるんですか!!」と少し驚いていました。航空幕僚長まで努めたお方がこのような事を言いだすとは…まぁ確かに「(アメリカに対して)言う事は」出来るとは思いますけど。
ニュークリア・シェアリングがヨーロッパと比較して日本にもそれが当てはまるような単純な物では無いことくらい検索すれば誰でもわかると思います。またアメリカは、一貫して日本は核の傘のなかにあると言ってるわけですからその上で新たに核をレンタルするなんて考えられないでしょう。これはトマホークに関しても同様に言えるわけです。
FASのブログは「アメリカに圧力を加えるような同盟国はサポートしない」と言ってるのですが、果して日本政府の今回の動きはそのような単純な圧力だったのかは疑問に思えます。TLAM/Nの影に隠れている日本の本当の意図はなんなのでしょう…。以前、軍は「もう必要ない」とTLAM/Nの退役処分を申出ましたが、当時のブッシュ政権はこれを拒否しました。
というわけで、オバマとメドベージェフの会談が始るわけですね。




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